多くの女性が悩まされる症状の1つ、冷え性。
自覚する感じ方は、いつも手足が冷たい、なんとなく身体の芯が冷えている気がするなど、人によって違いますがやっかいなものです。
しかも、冷え性は、万病の元とも言われ、さまざまな病気や症状の原因ともなっています。
冷え性は睡眠にも影響し、不眠の原因にもなります。
今回は、私自身も悩まされている、冷え性と不眠の関係性についてお話ししていきます。
なぜ眠れない?冷え性は睡眠の大敵!
寒い冬で布団に入っているのに、手足が冷たくてスムーズに睡眠に入れないと感じた経験はありませんか?
また、眠るときに限っては夏でも靴下が手放せないという方は少なくありませんよね。
そんな冷え性は、睡眠とも深い関係があり、不眠の原因にもなります。
冷え性と不眠の関係を確認してみましょう。
冷え性が不眠の原因?体温と睡眠の関係
なぜ身体が冷えることが不眠につながるのでしょうか?
それは、身体が体温の調節を行うことで睡眠に入っているからです。
活動状況に応じて体温コントロール
私たちの身体は、24時間自律神経によって体温調節が行われています。
その結果、身体が活動モードに入ったり、お休みモードに切り替わったりして、1日のサイクルが出来上がっています。
体温がもっとも高くなるのが、起床から11時間後。
例えば、朝6時に起きる人なら17時頃に体温が高くなります。
体温が上昇する時間帯こそ、もっとも活動的に過ごせるのです。
また、最も体温が低くなるのが起床から22時間後。
ちょうど明け方の4時頃で、睡眠の真っ最中というわけです。
体温を下げて睡眠モードへ移行
夕方最も体温が高くなった時点から体温は下がり始めてリラックスモードに入っていきます。
また、体温が下がるリズムに合わせて、睡眠に入るためのホルモン物質であるメラトニンが分泌されるようになり、眠りに誘います。
下がっていく体温とそれに伴って分泌されるメラトニンの2つの効果によって、睡眠に入っていくのです。
冷え性は不眠の原因の1つ!
ところが冷え性の人は、この体温調節機能がうまく働かず、スムーズに睡眠に入ることができません。
その結果、不眠となってしまうのです。
手足から熱を放出して睡眠へ
身体が体温を下げるとき、手足や身体の表面から熱を放出します。
眠くなった赤ちゃんの手足はぽかぽかと温かいことをご存知ですか?
これは、深部体温を下げるために熱が放出されているからです。
大人の身体でも同じように、睡眠のための準備として熱が放出されています。
スムーズな入眠を妨げる冷えた手足
ところが冷え性の人は、手足が冷たく、血行が悪くなっているため、深部の熱が放出されません。
結果として、体温が下がりきらないのです。
そのため、スムーズに睡眠に入れないのです。
冷え性を克服して不眠にさよなら
冷え性の方がスムーズに睡眠に就くためには、体温調節をサポートすることが必要です。
不眠を改善し、冷え性を克服する対処法を紹介します。
入浴で身体を温めて冷え性を克服
血行を良くして体温調節を円滑に行うサポートにおすすめなのが、入浴です。
38~40度くらいのぬるめのお湯にゆったりと浸かり、身体を芯から温めます。
入浴によって血行が良くなり、上がった体温も全体的に徐々に下がり始めて睡眠を誘うようになります。
体温が下がる時間を考慮に入れて、睡眠に就く1時間前までにお風呂から上がるようにすると、スムーズに眠りに就けます。
また、足湯でも同様の効果が得られます。
首の後ろを温めて不眠を解消
忙しくてシャワーだけで精一杯という場合は、シャワーで首の後ろを温めます。
首には、頸動脈や脊椎動脈といった太い血管が通っています。
この血管を直接温まると、脳へ送られる血液が温められます。
脳は、温まり過ぎを防ぐために手足から熱を放出させるよう指令を出します。
この結果、手足が温まって体温の放出が始まり、深部体温も下がって、スムーズな睡眠に導かれていくのです。
運動で冷え性解消!睡眠の質をアップ
血行の悪さも冷え性を引き起こします。
その原因は、運動不足です。
運動をしないことで血行が悪くなって老廃物が溜まり、老廃物が溜まることで血の巡りがまた悪くなるという悪循環を引き起こします。
この悪循環が手足の冷えにつながり、冷え性となるのです。
こうした運動不足の解消にぴったりなのがウォーキングです。
日中の移動はなるべく歩いたり、階段を使ったりするのがおすすめです。
ちょっとした買い物は歩きで出かけたり、電車やバスの利用を一駅分控えたり、少しの工夫をするだけで歩き距離も増やせ、効果も得られます。
しかし、余りハードすぎる運動は、体にも良くないですし、睡眠する直前などは、運動は控えるようにしましょう。
冷え性が原因で起きる不眠のまとめ
睡眠は、冷え性とも関係が深く、慢性的な冷え性が不眠の原因になることがわかりました。
不眠と冷え性の関係をまとめておきましょう。
- 睡眠は自律神経がコントロールしている体温調節と深い関係がある
- 起床から11時間後に体温がもっとも高くなる
- 起床から22時間後に体温がもっとも低くなる
- 体温が高いと活動的なモードに入り、体温が低いときは休息モードに入っている
- 夜、眠くなるのは深部体温が下がり、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンが分泌されるから
- 深部体温が下がらないとスムーズに睡眠に入れない
- 冷え性だと体内の熱がうまく放出できないので、時間が来ても深部体温が下がらない
- 冷え性は、布団に入っても手足が冷たくて不眠に陥ることがある
- スムーズに睡眠に入るためには、入浴したり、首の後ろを温めるなど冷え性を改善する必要がある