最近は、睡眠の大切さが見直され、さまざまな研究が盛んに行われています。
そんな影響もあってか、寝具をじっくり選ぶなど、睡眠環境を快適に整え、睡眠の質を上げようとする人も増えています。
寝具のなかでも快眠のカギを握るのは、枕です。
枕が果たす役割を知れば、どんな枕を選ぶのが良いか、正解が見えてくるかもしれません。
睡眠の質にこだわるなら枕を変えよう
睡眠は、毎日を健康に生きていくために不可欠な生きるための活動です。
意識はなくても睡眠中は、身体や脳の疲労を回復したり、記憶や感情の整理が行われています。
こうした働きが十分に行われるかは、睡眠の質によっても左右されます。
睡眠の質が高ければ、多少時間が短くても身体や脳の疲労がしっかりと回復されたり、記憶がしっかり定着したりするわけです。
このように睡眠の質を上げるために睡眠環境を快適に整える条件の1つが枕なのです。
枕が果たしている役割を知ると、その理由がわかります。
睡眠の質にも関係する枕の役割とは?
枕というと、子供の頃からなんとなく使っている人も多いのではないでしょうか。
イメージとしては、頭を乗せるもの。
ところがこれが間違いなのです。
枕は、むしろ首を支えるものと考えた方が正解です。
頭と首をしっかりと枕に乗せることで身体にとって自然な姿勢を保つことができるのです。
首を枕で支えて良い寝姿勢を
良い寝姿勢というのは、まっすぐに立っている姿勢のまま仰向けになった状態です。
この姿勢をとると、S字カーブを描く首が支える頭は、肩や肩甲骨と水平にはなりません。
仰向けになると、若干頭の方が浮く形になります。
このように首の後ろにできる布団戸の隙間を埋め、首を支えるのが枕の役割です。
頭は体重の約1割の重さ(体重50kgなら約5kg)があり、支える首の骨は細いため、その負担を枕が担っているのです。
睡眠の質を上げる良い枕とは?
では、睡眠の質を上げる良い枕とは、いったいどんなものでしょうか?
枕選びのポイントは、大きさと高さ、そして素材です!
その基準を確認してみましょう。
枕の高さ・大きさこそ睡眠の質を左右する
睡眠に入る時、大半の人の寝姿勢が仰向けか横向きです。
そして人は睡眠中に何度も寝返りを打っています。
その数、一晩で20回前後と言われています。
睡眠中も驚くほど動いているのです。
こうした動きにも対応できる大きさが必要というわけです。
睡眠の質を上げる枕の最重要ポイントは高さ
睡眠の質を上げるためには、身体がストレスを感じることなく眠れることが大切です。
ところが実際は、朝起きたときに肩が凝っているとか、疲れが取れないと感じる人も少なくありません。
これは、枕の高さがあっていないために起こります。
それほど枕の高さは睡眠の質を上げるのに大切な要素なのです。
実際の高さは、身体の大きさや首のカーブによって変わりますが、これもまた人それぞれです。
平均して、女性で3cm弱、男性で4cm、身体の大きい人で5㎝位と言われています。
枕に頭を乗せると、素材によっては沈み込みます。
その分も計算しつつ、自分の体に合った高さのまくらを選びましょう。
右に左に寝返りを支える枕の横幅
睡眠に就く際、布団の中央に入り、枕の真ん中に頭を乗せても、一晩で20回もの寝返りを打つことで布団の横幅もしっかり動いて使っているのです。
つまり、枕もそれだけの横幅が必要というわけです。
考えられるのは中央プラス左右ということで、頭3個分ほど。
60cm以上あれば、余裕があります。
縦幅は、首から支えて頭を乗せても頭がはみ出ることのない長さ。
だいたい40cmほどあると、ゆったりと使えます。
枕の素材が影響するのは寝心地
今や、枕の素材も多種多様です。
使う素材によって枕は硬くも柔らかくもなります。
また、硬い枕が好きな人、柔らかい枕の方がよく眠れるという人、好みは人それぞれ分かれます。
素材は好みで構いませんが、必要な高さをキープできるものを選びましょう。
フィット感が人気!低反発枕
理想的な寝姿勢が保て、首や肩への負担が少ないと人気です。
- 弾力性や復元性に富んだ柔らかさ
- 頭や肩のラインに合わせて変形するのでフィット感が高い
- 通気性があまりよくない
- 寝返りが打ちにくい
- 洗濯できず、耐久性が悪い
耐久性に優れた、高反発枕
寝がえりが打ちやすく、ストレートネックを防いで首コリを防ぐと言われています。
- 硬い枕が好みの人に
- 首を支える感覚がわかりやすい(肩こり予防になる)
- 寝がえりが打ちやすい
- 通気性が良い
- 価格が高いものが多い
ふわふわが心地いい!羽毛枕
通気性に優れた快適さと、羽毛の質感が醸し出す高級感も魅力です。
- 羽毛特有の柔らかさ
- 通気性に優れている
- 頭を支える感覚に不満が出る場合も
- メンテナンスが必要(メンテナンスをきちんとすると長期間使用できる)
柔らかな寝心地がクセになる!ポリエステル綿枕
弾力性のある素材なので使用感は心地よく、洗濯もできるので清潔に使えます。
- 柔らかくふわふわな感触が心地いい
- 綿ボコりなどが発生しにくい
- 洗濯できるので衛生的
- 通気性がいい
- 吸湿性が乏しい
- 耐久性に欠ける
安定感抜群のそば殻枕
天然素材ならではの安心感と、首をしっかり支える力強さも人気です。
- 適度な硬さと安定感は硬い好きに人気
- 吸湿性に優れ、放湿性もばっちり!
- ひんやりとした使い心地
- そばアレルギーの人は注意
- 湿気はカビやダニの原因に
通気性バツグンで快適なパイプ枕
丸洗いできて衛生的、天然素材より長期にわたって使用できます。
- 丸洗いできて衛生的
- パイプに穴が開いているため、通気性も良い
- 耐久年数が長い
- 吸湿性がない
- 流動性があるため、枕がさまざまに変形する
睡眠に入る際の寝姿勢も枕選びのポイント
枕は仰向けを前提に作られているものが一番多いものです。
また、睡眠中は寝返りを何度も打ちますので、その姿勢専用の枕は、あまり必要ではありません。
しかし、睡眠に入る際、最初の寝姿勢は、人それぞれ好みがあり、その姿勢でないと眠れないという人は多いものです。
横向きにもある専用枕
横向きで寝る人の割合も多いものです。
そのため、横向き専用の枕もたくさんの種類が出回っています。
横向きだと肩の分の高さを埋め、首の骨がまっすぐになるように支える高さが必要です。
仰向けを前提にした枕より、若干高さが高く作られています。
うつ伏せ寝はタオルでサポート
うつ伏せで寝る場合は、鎖骨の下あたりにタオルをたたんでおくか、薄いクッションを敷くと安定します。
枕はあまり使われないようです。
ストレートネックは矯正枕を使用
寝姿勢とは関係ありませんが、スマホやインターネットなどのやりすぎで首のカーブが伸びてしまい、ストレートネックと呼ばれる症状の方も増えています。
ストレートネックは、矯正枕なども販売されておりますが、間違った使い方をしている方も多いので注意が必要です。
矯正用の枕は、1回の使用時間は5~10分ほど。
繰り返し使うことで矯正します。
決して夜、睡眠を取るためには使用しないでください。
上を向いて首の後ろに違和感がある場合は、ストレートネックかもしれません。
睡眠の質を上げる枕選びは自分の感覚を大切に
素材だけをとってみても、さまざまな枕があることがわかりました。
こうした中から「これ」といったものをおすすめするのは、なかなか難しいものです。
何より睡眠中、あるいは睡眠から目覚めたときの自分の感覚が大切です。
首のカーブなどを測って、ぴったりと合うオーダーメイドの枕を作ることもできます。
自分に合う枕を手に入れて、睡眠の質を上げ、快適な毎日を過ごしましょう。
睡眠の質を上げたいのであれば「睡眠の環境づくり」も重要!
睡眠の質を上げるには、枕だけではなく、生活主観や寝室の温度、寝るときの服装にも気を付けると、なお効果的です。
今現在、不眠や睡眠に満足がいっていない方は、「睡眠の環境づくり」からまず始め、改善していくといいでしょう。
また、多忙な現代人は不規則な生活や、スマホ・PCの普及により、不眠や睡眠不足になりやすく、現代病ともいわれているくらいです。
一日や二日くらい寝なくても何とかなる!と思われがちですが、睡眠不足は確実に健康リスクを高めています。
睡眠は意外と繊細なもので、ちょっとしたことや生活習慣が、不眠を招く恐れもあります。
今一度、生活習慣を見直し、自分に合った睡眠の環境づくりを心がけましょう。
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睡眠の質を上げる枕についてまとめ
枕は睡眠の質を上げる大切な寝具であることがわかりました。
ここで最後に、枕選びのポイントを振り返りましょう。
- 睡眠は毎日の健康に欠かせない生態活動、そのため睡眠の質を上げることは健康につながっている
- 睡眠の質を上げる枕選びのポイントは高さ、大きさ、素材
- 睡眠の質に影響する枕の高さは女性は3cm弱
- 睡眠の質に影響する枕の高さは男性は4~5cm
- 枕の素材は、多種多様ある
- 硬い枕でも柔らかい枕でも、高さをキープできるものを選ぶのがおすすめ
- オーダーメイドで作る枕もある