中学生は、もっとも身長が伸びる時期。
と、言っても過言ではなく、私も中学生の時に15cmほど、身長が伸びました。
ところが、この時期の過ごし方によっては思った以上に伸びたとか、思ったほど伸びなかったとか、身長の伸び方に差が出るんです。
できるなら背が高くなりたい!と考えるなら、日ごろの生活が大切になります。
今回は、睡眠と身長の関係についてお話ししていきます。
放っておいても伸びる?中学生の身長
身長がどこまで伸びるかは、両親からの遺伝の要素もある程度は影響があります。
というと、両親の背があまり高くないから期待できないとか、小柄なお父さんに似ちゃったらどうしようとか、あきらめちゃう人もいるかと思います。
逆に、両親の背が高いから安心!という人もいるでしょう。
でも身長を伸ばす要素は、それだけじゃありません。
遺伝的に有利だったとしても、何をしても、あるいは何をしなくても伸びるというわけではないのです。
特に中学生年代は身長を伸ばすのに大切な時期、遺伝の影響よりもこの時期の過ごし方の方が大きな影響を与えます。
大げさに言えば、毎日の生活が今後の人生を左右するというわけです。
気になる身長を伸ばすために必要な要素をチェックしてみましょう。
中学生の身長を伸ばす三大要素
中学生に限らず子どもの成長に大切なのは、「睡眠」「運動」「食事」です。
中学生が身長を伸ばすために必要な要素もそのまま、「睡眠」「運動」「食事」の3つ。
「寝る子は育つ」のことわざは、ダテじゃないですね。
3つの要素は、どれがより重要ということはなく、どれも同じように重要です。
ここでは特に睡眠にスポットを当ててご紹介します。
睡眠と成長ホルモンの関係
なぜ成長に睡眠が必要かというと、身長を伸ばす身体の働きを担う「成長ホルモン」が分泌されるのが睡眠中だからです。
成長ホルモンは、まだ身体が出来上がっていない子どもの頃は、骨を作ったり、筋肉を強化するなど、文字通り身体の成長に関わります。
特に成長期の子どもの骨には、これから硬い大人の骨に成長していくための軟骨が存在しています。
成長ホルモンは、この軟骨部分を刺激し、増殖を促します。
そうすると骨が長くなり、結果的に身長も伸びていくというわけです。
ちなみにこの軟骨は、大人になるとなくなってしまいます。
ですから、大人になって骨が固まる前に、いかに軟骨を増やし、成長させていくかが身長を伸ばすポイントとなるのです。
関連記事:睡眠ってどんな役割・効果があるの?
質の良い睡眠で身長を伸ばす
身長を伸ばすために睡眠が必要な理由が成長ホルモンの分泌でした。
この成長ホルモンですが、睡眠中はいつでも分泌されるというわけではないところも注意が必要です。
もっとも多く分泌されるのが、眠りはじめのノンレム睡眠時。
最初の3時間ほどの間に訪れる深い眠りのときがもっとも活発に分泌されるのです。
入眠からその直後の3時間ほどの間にいかに質の高い睡眠をとるかも大切になってきます。
関連記事:睡眠不足は健康の大敵!成長ホルモンを十分に得る睡眠法
身長を伸ばす可能性は何歳まで?
身長が伸びるピークは、思春期に迎えます。
思春期の始まりは、男子が11~13歳頃、女子が10~12歳頃、終わりは男子が18歳頃、女子が16歳頃といわれています。
この間に身長は、男子で25㎝、女子で22㎝ほど伸びるのが目安となっています。
このことからもわかるように、思春期が終わる頃に身長を伸ばす可能性を持つ軟骨が消えてしまうのです。
つまり、思春期に入るまでにどれくらい身長が伸びているかが大切なのです。
思春期を早める中学生の睡眠不足
身長をできるだけ伸ばしたいと思ったら、思春期の訪れは、なるべく遅いほうがいいようです。
この思春期の訪れにも睡眠が深く深く関わっているのです。
現代の日本の子どもたちは、中学生に限らず世界の子どもたちと比べても睡眠が不足しているといわれています。
その結果、思春期が早く訪れ、身長の伸びが早く止まってしまうといわれています。
なぜそのようなことが起きるのかというと、カギを握っているのが「メラトニン」という体内物質です。
メラトニンは、別名睡眠ホルモンとも呼ばれ、夜暗くなると分泌されはじめ、身体が睡眠に入る準備を整え、深い眠りに導いてくれる役割を果たしています。
そして、メラトニンのもう1つの役割が、性ホルモンの過剰な分泌を抑制する働きです。
メラトニンが思春期をスタートさせる性ホルモンが過剰に分泌されるのを抑えるのです。
日本の一部の子どもたちは、睡眠が不足しているためメラトニンが十分に分泌されず、早い段階で思春期を迎えてしまっているのです。
睡眠不足の中学生が増える理由
日本の子どもたちの睡眠不足の原因は、夜更かしです。
その理由は、勉強のための塾や部活動との両立による忙しさ。
加えて、中学生になると塾などで遅くなることからスマホを持ち始めます。
インターネットゲームや友人とのやりとりなど、一気に自由な世界が広がり、夢中になって睡眠時間を削ってしまうことにつながっています。
また既に中学生には、すでに体内時計が乱れている子どももいます。
こうした子どもたちは、身長を伸ばす可能性のある軟骨が成長しないまま消失してしまい、思ったほど伸びなかったという結果になってしまうのです。
関連記事:現代社会が抱える不眠の原因と改善方法
中学生の身長を伸ばす睡眠法
身長を伸ばすためには、成長ホルモンとメラトニンを十分に分泌させて、質の良い睡眠を得ることが大切です。
そのためには、体内時計を整えること。
まずは朝、きちんと起きて朝日をしっかりと浴びることが大切です。
朝日を浴びると「セロトニン」という身体を活動モードに導く体内物質が分泌されます。
これは、同時に14~16時間後になるとメラトニンに変わります。
メラトニンが分泌されると身体は睡眠モードへ入ります。
ここで睡眠モードをより良く導くと質の高い睡眠にスムーズに入れるのです。
まずは朝、セロトニンを十分に分泌させることが大切なのです。
睡眠モードに入った身体に逆効果なのがパソコンやスマホです。
液晶画面から発するブルーライトがメラトニンの分泌を抑えてしまい、覚醒を促すからです。
こういう状態では、身体の疲れから睡眠に入っても睡眠の質は下がってしまいます。
結果として、成長ホルモンもメラトニンも十分な量が分泌されなくなってしまうのです。
関連記事:睡眠ホルモン「メラトニン」の効果?「セロトニン」との関係とは?
身長を伸ばす中学生の睡眠法まとめ
中学生は、もっとも身長が伸びやすい時期。
ところが、中学生年代の過ごし方によっては、思ったほど身長が伸びない場合があります。
逆に、遺伝的には期待できないと思われる場合でも、毎日の生活を大切にすれば、思っていた以上に伸びる可能性も!
中学生にとって身長を伸ばすために大切なことをまとめておきましょう。
- どれくらい身長が伸びるかは遺伝の影響もある
- 中学生に限らず、子どもの成長に大切なのは「睡眠」「運動」「食事」の3つの要素
- 特に中学生年代にとって睡眠は大切
- 骨を育てて、身長を伸ばす成長ホルモンは睡眠中に分泌される
- 成長ホルモンが分泌されるのは眠りはじめのノンレム睡眠の深い時間帯
- 身長の伸びるピークは男女ともに思春期が終わるまで
- 思春期が訪れる時期も睡眠と深いかかわりがある
- 睡眠が不足すると性ホルモンを抑制するメラトニンが十分分泌されずに思春期が早く訪れてしまう
- 思春期が早く訪れると身長が伸びるピークも早く訪れてしまい、思ったほど身長が伸びない場合がある
- 日本の中学生は世界の子どもと比べて睡眠不足といわれている