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睡眠不足は脳にも影響?記憶力や物忘れとの関係

睡眠不足は脳にも影響?記憶力や物忘れとの関係

毎日眠らずにはいられないけど、削っても何とかなるのが睡眠です。
しかも、何とかなるからって、削って削って睡眠不足に陥っている人、多いですね。

睡眠不足も慢性化すると自分では気がつかないけど、明らかに通常とは違うことがたくさん出てきます。
例えば、身体の疲労が蓄積したり、脳のパフォーマンスが低下したり。
疲労も蓄積してくると、麻痺してくるんですね。

それも大変ですが、ここでより気になるのは、仕事を終わらせるために睡眠を削っていたのに、脳のパフォーマンスが低下しているのでは、意味がないのでは?ということ。
そうです、睡眠不足になると、脳の様々な働きは落ちていくのです。

睡眠が作り出す?記憶力

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昼間に運動をしたり、長い距離を歩いたりすると、夜、心地よい疲労感とともに眠気が訪れます。
そんなことから睡眠は、身体の疲労を回復するためにとるものと思われがちです。
もちろん、その働きもあるのですが、それよりもむしろ脳への働きの方が大きいのです。

ここで注目したい脳への働きは、睡眠と記憶力の関係です。
睡眠を削ると、記憶力が落ちたり、物忘れしてしまうことが増えたりする可能性があるのです。

記憶力へ働きかける睡眠とは

睡眠には、ノンレム睡眠とレム睡眠の2種類があり、それぞれに働きがあります。
そのうちノンレム睡眠は脳を休める睡眠と言われています。

とはいえ、2種類の睡眠の両方で脳のさまざまな機能への働きかけが行われているのです。
その働きの1つが記憶を固定する作用があります。

記憶にもいろいろな種類があり、その日に起こった出来事の記憶や、勉強して理解したり、暗記したりといった記憶があります。
これらの記憶はレム睡眠・ノンレム睡眠の両方の働きによって固定されていきます。

また、ノンレム睡眠は、その深さによって働きが異なります。
深いときにはイヤな記憶の消去を行い、浅いときには昼間練習した習字やスポーツの技術などの記憶を固定したり、昼間の記憶を過去の記憶と結び付けたりします。

睡眠をとることで私たちの記憶は定着し、整理されていくのです。

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睡眠不足が招く記憶力低下

記憶力は、こうした記憶を忘れずに覚えておくための力です。
記憶を司るのは、脳の海馬や前頭連合野といった部分。
睡眠中に働きかけることで記憶力が高められていきます。

人間の脳にある神経細胞は、加齢とともに減っていくばかりのもの、というのが常識です。
ところが、海馬だけは違います。
大人になっても睡眠によって成長することがわかっています。
しっかり睡眠をとることで海馬を成長させ、記憶力を強化できるのです。

物忘れも睡眠不足が原因に

何かをしようと思って部屋を移動したのに、そこについたら何をしようとしていたのか、忘れてしまう……。
加齢に伴うありがちな物忘れですが、これ、睡眠不足でも起きることがあります。
その場合は、ど忘れといったほうが正解かもしれません。

睡眠不足が慢性化しても、自覚症状はあまりありません。
自分は自覚できていないけれど、脳のパフォーマンスのレベルは下がっているのです。
睡眠不足のために情報が整理できなかったり、記憶が混乱したり。
その結果、物忘れしてしまうのです。

さっきまでやろうと思っていたことが思い出せないのは、物忘れというより、脳からのヘルプの叫びなのです。

記憶力や物忘れに年齢は無関係

年齢を重ねることで物忘れが激しくなったり、記憶力が低下したり。
誰もが年齢には逆らえない、しょうがないことと思っていると思います。

ところが、記憶力も物忘れも、脳の病気によるものでない限り、年齢は関係ないようです。

年配の人がものの名前を忘れてしまったりするのは、年齢を重ねれば重ねるほど、覚えている記憶の量が増えるから。
記憶は、索引をつけて(これも睡眠中に行われる働きの1つ!)、いつでも引っ張り出せるようになっています。

ところが、年配者は記憶の量そのものが多いため、索引を探し当てたり、その後記憶を引き出すのに時間がかかるのです。
その差が記憶力の低下や物忘れがひどくなったといった感覚につながってしまうのです。

また、物忘れ自体の頻度も20代と70代とで差がないというデータがあります。
脳は使えば使うほど活性化するので、使わず休ませておくのではなく、年齢を問わず使ってリフレッシュすることが大切です。

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記憶力を高める睡眠法

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記憶力を高めたり、物忘れを防ぐためには海馬にしっかり働いてもらうことが大切です。
そのためには、十分な睡眠をとる必要があります。
先ほど紹介したように、海馬の働きは睡眠と深い関係があるからです。

また、海馬はストレスにとても弱い部位でもあります。
睡眠不足は、ストレスの解消も妨げてしまいます。
そのため睡眠不足が続くと海馬を縮ませてしまうこともあるのです。

とはいえ、睡眠不足が続いて、海馬が縮んでしまったからと言って、あきらめることはありません。
睡眠不足を解消し、十分な睡眠をとるようにすることで海馬は再び成長したり、働きを強化し、記憶力を維持・増進してくれます。
こうなれば物忘れしてしまうような脳の混乱も収まるはず。

記憶力を高く保ったり、物忘れしない健全な生活を送るには、十分な睡眠が必要なのです。

関連記事:短時間睡眠を繰り返すと危険?頭痛や過労死の原因になる?

6時間以上睡眠で記憶力アップ

海馬をしっかりと働かせ、記憶力を強化するなら十分な睡眠時間が必要です。
睡眠時間は、個々に差があるものですが、ハーバード大学の研究によると、新しい知識を定着させるには6時間以上の睡眠が必要という研究結果が出ています。
高校生など現役の学生なら、9~10時間ほど眠ってもいいほどです。

もちろん勉強しなければ記憶にもならないので、まずは記憶するための勉強の時間を用意しなければなりません。
その後、できるだけ睡眠をたくさんとることでしっかりと記憶として定着します。

十分な睡眠時間をとることは、勉強をするのと同じくらい大切なことなのです。

寝る前30分が記憶の定着に効果

記憶としてより強固に定着するには、勉強するタイミングも大切です。
できれば、睡眠につく30分前から暗記ものの勉強をしましょう。

眠りにつくとノンレム睡眠を経て、レム睡眠に移行します。
このノンレム睡眠は、記憶を固定する睡眠。
ですから、寝る前にやったことは記憶に残りやすいのです。

パソコンなどを使うと、ブルーライトの影響で眠りに入りづらくなることもあります。
アナログな方法で眠りに入ることを意識しながら行うと、睡眠の質を下げることなく記憶力のアップが期待できます。

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睡眠不足はアルツハイマーの原因にも!

物忘れや記憶力の低下というと、心配なのは脳の疾患、アルツハイマー病です。

アルツハイマー病は、脳の神経細胞が減少したり、記憶を司る海馬を中心に脳全体が委縮したりする症状があります。

この原因の1つがβアミロイドと呼ばれるたんぱく質が脳のなかに溜まること。
βアミロイドは、昼間脳が活動することで生成され、脳に蓄積する脳の老廃物です。

脳には、老廃物を除去するリンパ組織はありませんが、夜、睡眠中に脳せき髄液が染み出して老廃物を除去しているのです。
睡眠不足になると、この働きが十分に行われず、βアミロイドがどんどんと蓄積していきます。
その結果、アルツハイマー病となるリスクが上がるのです。

睡眠不足は、将来的に致命的なダメージを脳に与えてしまう可能性があるのです。

関連記事:睡眠不足が高めるアルツハイマー病型認知症のリスク
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睡眠不足と記憶力・物忘れの関係まとめ

記憶力の低下や物忘れの増加は、加齢によるものだからしょうがないこと。
などとあきらめている方が多いと思いますが、一概にそうとはいえません。
また、記憶力などを司る海馬は、脳のなかで唯一、大人になっても成長させることができる部位。
海馬の成長も記憶力や物忘れも、睡眠と大きな関係があったのです。

  • 睡眠不足になると記憶力が低下する
  • 睡眠不足が慢性化すると脳が混乱して物忘れが頻発することがある
  • 記憶を定着させるには、6時間以上の睡眠が必要
  • 寝る前30分に暗記物の勉強をすると、記憶に定着させやすい