不眠症になってしまうと、睡眠できなことがストレスになったり、睡眠不足による健康被害が出てしまいます。
実は「睡眠」と「食事」は深く関係していて、不眠症の原因が食事にあることもあります。
不眠症を予防・改善するためにも、食事から改善していきましょう。
今回は不眠症を招く食事から、不眠症を改善するのに効果的な食事・栄養素をお話していきます。
不眠症や眠りの質を下げる食事
不眠症の原因の一つともいわれている「食事」
もしかすると、何気ない食事の時の習慣や食べ物が不眠症の原因になっているかもしれません。
不眠症の原因で代表的な食事のパターンを紹介します。
不眠症になりやすい食事パターン①「就寝前に食事をとる」
食事をとってから、すぐに就寝していることありませんか?
食事をしてからすぐに寝てしまうと、胃は食事でとった食べ物を消化しないといけないので、活発に動きます。
胃が消化をするために活発に動くことで、眠ろうとしても中々眠れなくなってしまいます。
また、眠れたとしても眠りが浅いので、疲労の蓄積や途中で起きやすくなります。
不眠症になりやすい食事パターン②「消化の悪いものを食べる」
胃が消化により活発的に動いている状態は、不眠症の原因や睡眠の質を下げてしまいます。
消化の悪い食べ物は、通常以上より、長い消化時間が必要になるので、就寝時間には気をつけましょう。
例えば、とても美味しいですが「揚げ物」や「ステーキ」は消化の悪い食べ物の代表です。
量によりますが、一般的に「麺」や「ご飯」が消化に約2時間なのに対し、揚げ物とステーキは4時間以上かかるといわれています。
不眠症になりやすい食事パターン③「朝食を抜く」
朝食をとると体温が上昇し、目が覚めて覚醒モードに切り替わります。
そのため、朝食を抜くことは、体内時計を乱れさせる要因になりやすいといわれています。
体内時計は睡眠と覚醒のリズムを作り出しているので、朝食を抜くことは不眠症の原因の一つであるといえます。
不眠症になりやすい食事パターン④「体を冷やす食材を食べる」
体を冷やすことは血行が悪くなるので、寝つきが悪くなり、不眠症の原因にもなります。
近年、健康思考が高まり、サラダダイエットが流行っていますが、生野菜は体を冷やしてしまいます。
不眠症の方は、夜ごはんの際はサラダはやめたほうがいいでしょう。
もし現在不眠症でお悩みの方で、食事の際に当てはまるパターンがある方は、改善しましょう。
次は、不眠症を改善するのに、効果的な食事方法をご紹介します。
不眠症の改善に期待できる食生活
毎日の食事を改善することで、不眠症を改善できることもあるので、食生活から気を付けましょう。
不眠症の改善に期待できる、食事の方法をご紹介します。
食事は消化に良いものをよく噛んで食べる
食事を終えたあとの消化活動中は、胃が活発に働くため、睡眠を妨げてしまいます。
消化に悪いものは長い間、胃の中に停滞しているので、その分睡眠を妨げる時間が長くなります。
また、噛む回数が少ないと、その分消化に時間がかかるので、不眠症を改善するためにも、食事の仕方を改善しましょう。
夕食は就寝の2~3時間前にとる
睡眠中の消化活動は、不眠症の原因や眠りが浅くなりやすくなります。
私たちが夜ごはんによく食べる、ご飯や麺は量にもよりますが、消化するのに約2時間ほどかかります。
多忙な方はなかなか難しいかもしれませんが、夕食の時間の改善は不眠症に効果的だといわれています。
朝食を食べて体内時計を整える
朝食を食べることで、睡眠に深く関係する体内時計が正常に機能しやすくなります。
体内時計が乱れがちな方は、不眠症や睡眠の質が下がりやすくなるので、朝食を食べましょう。
また、体内時計は不規則な生活をしていると乱れやすいので、心当たりのある方は生活習慣も改善しましょう。
暖かいものを食べる
体を冷やす食べものは、睡眠を妨げやすくし、不眠症の原因にもなるといわれています。
野菜と聞くと「サラダ」で摂取する方が多いですが、生野菜は体を冷やしてしまいます。
健康的に生きるためにも、不眠症を改善したり、質の高い睡眠をするには、野菜の持つ栄養素は重要です。
野菜はなるべくスープや鍋にするなどして、暖かく効果的に摂取するといいでしょう。
不眠症を改善するためには食事の改善が重要だと、お話をしてきました。
次は、睡眠に関わる栄養素のお話をしていきます。
不眠症を改善する栄養素とは?
不眠症の改善に良いとされている栄養素は何種類かありますが、今回は代表的な3つを紹介します。
- トリプトファン
- ビタミンB
- GABA
睡眠ホルモンの生成に必要な栄養素①トリプトファン
まず不眠症の原因でよく言われるのは「睡眠ホルモンのメラトニン」と、それを生成する「セロトニン」が不足してしまうことです。
この2つのホルモンは睡眠に重要なホルモンで、この2つのホルモンの原料になる栄養素が「トリプトファン」です。
トリプトファンとは必須アミノ酸の一種で、メラトニンとセロトニンの生成をするうえで必要不可欠な栄養素です。
トリプトファンが不足してしまうと、睡眠ホルモンが分泌されにくくなり、不眠症の原因になります。
この3つの関係性に関してご興味ある方は下記の記事を読んでみてください。
トリプトファンを含む食材
- 牛乳
- チーズ
- 味噌
- かつお
- まぐろ
- 牛のレバー
- 豚のロース
- ゴマ
- 納豆
- アーモンド
- バナナ
不眠症の改善には、まず、トリプトファンを多く含んだ食事を取ると効果的でしょう。
睡眠ホルモンの生成に必要な栄養素②ビタミンB
ビタミンBは神経の機能を正常に保つ作用があるので、精神を安定させ、気分を落ち着かせてくれます。
また、ビタミンBには睡眠に深く関係する、体内時計を調整してくれる効果があるといわれています。
ビタミンBによる、この2つの効果は、不眠症を改善しやすくしてくれます。
ビタミンBを含む食材
- 豚肉
- うなぎ
- たらこ
- レバー(牛・豚・鳥)
- 牛乳
- カキ
- あさり
- さんま
- バナナ
睡眠ホルモンの生成に必要な栄養素③GABA
不眠症の原因として、グルタミン酸による精神の高ぶり・興奮することで頭が冴えて眠れないことが挙げられます。
GABAはグルタミン酸による精神の興奮を抑制する効果があるので、不眠症の改善にはGABAの摂取が効果的です。
GABAを含む食材
- トマト
- ジャガイモ
- カボチャ
- ブドウ
- 温州みかん
- 甘夏
- ビワ
- 発芽玄米
- ぬか漬け
もちろん、不眠症を改善するうえで「トリプトファン」「ビタミンB」「GABA」が取れる食事は重要ですが、栄養バランスにも気を付けてください。
不眠症や睡眠の質を改善する食事まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は不眠や睡眠の質に関わってくる食事についてお話ししました。
一見、あまり関係ないように感じる「不眠症」と「食事」ですが、食事が原因で不眠症になっている場合もあります。
不眠症を改善するためには、生活習慣はもちろんですが、食事にも気を使うといいでしょう。